投資にまつわる2017年のキーワードNo.1はビットコインでした。2017年1月は10万円そこそこ、それが12月には200万円を超えました。ざっと20倍。少なくとも11月以前に買った人は、ほぼみんな儲かっている状態です。「みんな儲かっている」と聞くとソワソワしてきますが、怖いのは暴落です。やはり暴落するのでしょうか？みなさんはどう思われますか？
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ビットコインはバブルなのか？
株価や商品の価格が高騰し、一気に暴落する現象をバブルと言います。古くはオランダのチューリップバブルや、日本でも明治時代にウサギバブルというのもあります。株の世界では、東京株式市場のバブル崩壊が真っ先に思いつきますが、実はバブルには共通の状況があります。
バブルに共通するもの
『バブルの物語（ジョン・K・ガルブレイス）』という本では、バブル発生の共通した状況として、
世の中に何らか新しいものが現われた、という考えがあること
と言っています。つまり、革新的なものが現れたと思ってみんなが買う事で価格が高騰するのです。
では、ビットコインはどうでしょう？既存の通貨に代わる「革新的」な通貨と言われています。やはり、歴史を見る限りビットコインはバブルが発生しやすい状況にあります。ITバブルというものがありましたが、新しく登場したインターネットによって世の中が変わると期待され、株価が高騰しました。社名を「〇〇ドットコム」に買えただけで株価が高騰したというのは有名なエピソードです。ここで重要なのは、確かにインターネットは世の中を変えたけれど、ITバブルはバブルだったという点だと思います。
ビットコインとバブルは別の話
オランダのチューリップバブルは、革新的な花と思っていたものが、実際はただの花だったわけです。ビットコインはチューリップと違って、本当に優れた仕組みでドルの代わりになるのかもしれません。でも、それは価格が高騰する理由にはなりません。
インターネットは普及して世の中の仕組みを変えました。でもそれとITバブルは別の話です。ビットコインは、儲けたくてしょうがない人が一気に参加しているから年20倍も価格が高騰するわけです。こういう人達は利益確定というゴールがあるので、売却が発生します。その結果、価格が不安定になったり暴落することがあるでしょう。これはビットコイン自体とは別の話です。
バブルだとしても儲けたい
とはいえ、割り切って参加して、早めに売り抜けて儲けられないかとも思います。そのような事は可能でしょうか？
暴落のタイミングをつかめるか？
過去のバブルは、どれくらいで暴落に至っているか整理してみましょう。
- ウォール街大暴落 1927年～1929年
- バブル景気 1986年～1991年
- ITバブル 1996年～2000年
- 原油価格暴落 2004年～2009年
株や原油のような伝統的な商品とビットコインのように新しい商品を比べるのが適切か疑問はあるものの、価格の上昇が顕著になってから、およそ3～5年で絶頂に達して暴落するという傾向にあるようです。特に、暴落直前は価格の上昇が急激です。加速度的に価格が上昇し、一気に落ちるイメージです。
ビットコインはいつから騰がっているか？
では、ビットコインはどうでしょう。2016年後半もやや上昇したものの、実際には2017年に入ってから上昇しています。期間で見れば、はじまったばかりのように見えます。ただ、上昇ペースがかなり早いです。ビットコインは、バブルの語源となった南海泡沫事件に価格の動きが似ていると言われます。その時は、1年足らずで暴落しています。想定よりも早く暴落するかもしれません。
知り合いが買い始めたら注意
暴落エピソードの鉄板は、投資に詳しくない人が買いだしたら暴落の前触れというものです。詳しくない人が知り合いの儲け話に惑わされて、訳も分からず手を出してしまう。でも、右から左にお金を動かすだけで、みんなが大金持ちになれる訳はないのです。みなさんの会社で話題になってたりしませんか？そういう時は注意した方がよいでしょう。
暴落は一瞬
結論から言えば、投資としてビットコインを購入する事はおすすめしません。仮に暴落するとしたら、それは一瞬の出来事です。著名な投資家であるウォーレンバフェットは「火事の劇場で誰か別の人に座席を譲ってから逃げないといけない」と例えていました。売るには買う人が必要です。でも暴落している最中に買い手は現れません。指をくわえて自分の資産が減っていくのを見る事になります。
最終的には、分からないものは買わないという事
暴落する前提で話をしましたが、実際は分かりません。ただ最終的には「よく分からないものに投資をしない」それだけだと思います。ビットコインの価格について、よく分かっている方は投資先として検討しても良いのではないでしょうか。
