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チャンス到来!?株価下落中の企業

「逆張り」という言葉を聞いたことがありますか?株価が下がっている時に買う事を逆張り、逆に波に乗るように株価が上がっている時に買う事を「順張り」と言います。ちなみに日本人は「逆張り」好きが多いと言われます。

人の行く裏に道あり花の山

これは投資の格言ですが、人と同じ事をしても儲からない、というものです。とはいえ、みんなが売っている株に手を出すのは怖いもの。まったく逆の格言もあります。

落ちてくるナイフはつかむな

株価が下がって買いごろと思って投資をしたら更に下がって大損という意味です。

という事で、買いごろの見極めに要注意ですが、株価が下落しチャンス到来と思われる会社を紹介したいと思います。

株価が下落した成長企業、沢井製薬

当サイトは成長性、安全性、株価の割安度を加味して会社を5段階評価しているのですが、12月に評価が急上昇したのが沢井製薬です。

ジェネリック医薬品で有名

高橋英樹のCMで有名なジェネリック医薬品大手です。競合には東和薬品(黒柳徹子のCM)といった会社があります。このジェネリック、特許切れの医薬品の事で価格が安いのが特徴です。

ジェネリックは成長分野

薬を使う人の財布に優しいだけではなく、国も推進しています。実際に厚生労働省は2020年に薬の80%をジェネリックにするという目標を掲げています。薬代などの医療費は約4割が公費負担なので、財政が厳しい国にとって医療費抑制は超重要課題です。ジェネリックには強い追い風が吹いていると言って良いでしょう。

沢井製薬は順調に成長してきた

2008年と2017年を比較してみると、売上・利益ともに大きく成長しています。

  • 売上 376億円 → 1324億円(3.5倍)
  • 営業利益 40億円 → 206億円(5倍)

一気に成長したわけではなく、毎年コンスタントに業績を伸ばしているので、一過性ではなく持続力のある成長と言えます。非常に魅力的に見えます。

なぜ株価が下がったのか?

沢井製薬について、ここまでをまとめると以下の通りです。

  • ジェネリックのマーケット拡大に合わせて順調に成長してきた
  • ジェネリックは今後も拡大が見込まれるので追い風が吹く

では、なぜ株価が下がったのでしょうか?

直近の大幅下落は「増資」が原因

※ヤフーファイナンスより 過去6ヶ月の株価

11月に増資を行った結果、株価が大きく下落しています。増資とは新たに株を発行し資金を調達することです。会社は資金調達できますが、株価は下がります。ざっくり言うと、株主が2人から4人に倍になったとします。株主の数が倍になると、株主に還元される利益の取り分は半分になります。それを反映することで、株価は半分になるというイメージです。

既存の株主からすれば「何してくれるんだ!資金調達なら銀行から借りてくれ」という話です。実際に沢井製薬は11月に株価が20%以上下落しました。

増資はアメリカの製薬会社を買収した際の借金を返済するためです。既存の株主は痛手をこうむりましたが、財務内容は良くなりました。

増資前も株価は冴えなかった

※ヤフーファイナンスより 過去5年の株価

気になるのは、増資前も約2年くらい株価が冴えませんでした。考えられる原因は薬価改定です。薬の価格は国が決めています。2016年4月にジェネリックの価格も下げられることになりました。さらに以前は2年に一回だった薬価の改定が2018年からは毎年変わる予定です。

国が推進しているとはいえ、ジェネリックも価格が引き下げられるので、販売は増えても売上が思ったほど伸びない、価格が下がるので利益は厳しくなる。それを見こして株価は冴えない。という訳です。

沢井製薬は買いか?

まとめます。

  • ジェネリックは今後も拡大が見込まれるので追い風
  • ただし、薬価改定で収益は厳しくなると思われ株価は低迷
  • さらに、アメリカの製薬会社買収に伴う増資で株価は大幅下落

結論を言うと、初心者の方が高い利益を求めず、長期戦で臨めるなら悪くない投資先だと思います。その理由をあげます

景気変動の影響を受けにくい

個人の実感は別にして今は景気が良い状態です。これが数年のうちに景気後退期に入る可能性はあると思います。いつ、どれくらいの景気後退が起きるかは分かりませんが、景気後退に強いのが製薬会社です。なぜなら薬は節約の対象にならないからです。

「財布が寂しいから外食を減らそう」と思うかもしれませんが、「病院に行くのをやめよう」とはならないですよね。実際に、沢井製薬はリーマンショック時も前年増の決算でした。

下値は限られる(はず)

PER10.6倍、PBR1.28倍は、目安となるPER15倍、PBR1.5倍を下回り、かなり安い水準です(PERの説明はこちら、PBRはこちら)。収益環境は厳しくなっているとはいえ、薬という安定した需要があるものを売っていますので、業績に大きなブレは生じにくいと考えます。不祥事でもない限り、大幅な株価下落は考えにくいと思います。

配当利回りも悪くはない

直近では130円の配当でした。現在の5,000円前後の株価で考えると、2.6%(130÷5000)の配当利回りです。増資をして株数が15%くらい増えていますので配当は減るかもしれません。それでも利回り2%は堅いでしょう。

配当利回り2%は高くはありませんが、手堅い株を貯金替わりに持っていると考えれば悪くないと思います。

買うなら長期戦と割り切って

現在の沢井製薬は、増資で株主の不評を買った状態です。株主によっては手放したいと思っているかもしれません。しばらく株価は冴えないでしょう。

そういう時に他の株が上昇していると焦って売りたくなったりします。無駄な投資をしてしまった(機会損失)と思うかもしれません。そこをグッと抑えて「株価はあまり変わらないけど、配当が出ているからまぁいいや」と気を長くして付き合える方に向いている株だと思います。