
知り合いが株をやっていると聞いた時、どう思いますか?
- リスクがあるのに大丈夫なのか?
- 儲かるのかな?でも怖くて真似できないな・・
確かに、株は損するリスクがあります。でもメリットがあるから、投資をする人がいるわけです。大事なのはメリットを知って、リスクを取れるかを自分で判断することです。それだけで”何となく儲かりそう”で株を買って「損した、得した」とか言っているレベルから抜け出せます。
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1つ目のメリット「値上がり益」
キャピタルゲインとも言われますが、横文字を使っても意味は単純です。安く買って高く売る、その差で儲けることです。
株価は倍どころか、10倍、20倍になるケースもあります。一攫千金を夢見るのは、値上がり益を期待する訳です。(値下がりで儲ける方法もありますが、ここでは触れません)
「値上がり益」を得るにはどうすればいいか?
「値上がり益」は、株価が上昇することで得られます。どのように株価は上昇するのでしょうか?大きく2つに分けられます。
安すぎる株価が修正される
日本の株式市場には3500を超える企業が上場しており、全てが正しく評価されていると限りません。目立たない会社の株価が低迷することがあります。そういった会社が何かをきっかけに株価が上昇することがあります。
利益が成長する(と期待される)
王道は利益が増えて(増えると思われて)株価が上昇することです。急成長企業は、利益が倍々ゲームで増えていますので、それを見越して株価がかなり高くなったりします。
「値上がり益」を得る際の注意点
株で失敗するのは、多くが「値上がり益」を期待したためです。思ったように上がらなかったり、高値で買って逆に損するケースです。
短期間で大きく儲けるのは至難の業
たまたま儲けて自分は才能があると思っても、結局は損する事が多いです。ライザップ、ガンホー、ミクシィといった過去に話題になった会社の株価を見ると分かりますが、短期間で上昇しても、大きな下落が待っています。

※ライザップ社の株価推移 「みんなの株式」より
誰よりも早く利益を確定させれば勝ち逃げできます。しかし、残念ながら、うまくいきません(私も身に覚えが・・)。短期投資は一種のギャンブルで、自分の欲望に振り回されて、儲けた利益を失うか、損して終わります。
パチプロのように儲けている人もいますが、至難の業です。素人が損しないためには、株価が異様に高いものには手を出さないことです(株価の見方は後述します)。
安い株にも罠がある
安い株を買っても、思うように株価があがらない事が多いです。バリュートラップと言いますが、割安なまま放置されるのです。売上と利益が成長していれば、株かもいつかはあがるかもしれません。しかし成長していなければ株価の上昇は期待できません。
価格を知らなければ「値上がり益」は得られない
「値上がり益」を狙うなら、欲しい株が高いか安いか知る必要があります。株価だけでは高いか安いか分かりません。簡単に見るポイントを説明します(過去記事も参考ください)。

ヤフーファイナンスで、企業名を検索すると、下のようなページがでてきます。この中で、見なければならないのは、PERとPBRです。

※参考 NTTドコモ(3/27)
とくにPERは株価が利益の何倍(何年分)になっているかを表しており、歴史的に見て15倍前後が平均値です。これが異様に高くなっていないか、必ずチェックしましょう。
ちなみに、ZOZOを参考にPER推移をみてみます。

赤い折れ線がPERの推移で青い線が株価です。成長企業なので、PERはそもそも高いのですが、PERが特に高い所で手をだすと、どうなったか感覚的にも分かりますよね。
2つ目のメリット「配当」
インカムゲインと言ったりしますが、会社は利益を「配当」として株主に還元してくれるのです。「値上がり益」が見込めなくても「配当」でリターンが得られるというわけです。
配当は増えている
この配当、実は増える傾向にあります。コーポレートガバナンスコードという「適当に経営してちゃダメ」という金融庁からのお達しをきっかけに、経営者への視線が厳しくなったのが原因です。
会社が現金を貯めこんでいると「事業拡大のために使いなさい。それができないなら株主に還元しなさい」となったのです。経営者としては、設備投資の勇気もなく、社員の給与は上げたくない(給与は上げてしまうと下げるのが難しい)。だったら「配当を増やそう」となったわけです。配当は増減のコントロールがしやすいですから。
配当金の推移を、みずほ総研のレポートをから引用すると、下のようになっています。

※みずほ総研のレポートより引用
配当金は年間20兆円を超え、ここ20年で約5倍です。20兆円というのは、日本の人口で割っても一人15万円です。もらっておきたいですよね。
配当利回りは預金金利の300年分!?
預金金利は都市銀行で0.01%程度です(1年定期)。配当利回りは3%越えも珍しくありません。3%だと、ざっと300倍です。3/22付けで配当利回りの高い企業をピックアップしてみると、
- 日産自動車 5.92%
- あおぞら銀行 5.65%
- 日本たばこ産業 5.46%
超有名企業でも、これだけの利回りを出していたりします。
ただし、「配当が多ければいい」ではない!?
「もっと配当出してよ」という株主がいますが、実は配当が多ければよいというわけでもありません。
配当が多いのは成熟企業の証拠
成長企業は資金を必要とするので、配当の余裕はありません。株主も、利益が増えれば株価があがるので、それで良いわけです。
一方、成長余地が限られている成熟企業は、資金を必要としていないので配当を出せます。配当が多いというのは成熟企業の証拠なのです。先ほどピックアップした高配当企業も、自動車・銀行・たばこ、と成長が見込みにくい成熟した会社です。ということは「値上がり益」は見込めないので、割り切って株を買う必要があります。
税金問題
配当には20%の税金がかかります。だったら、出回っている株を会社が買い上げて、株価を上げる方法もあるので、そちらの方が良いと言う株主もいます。結局は「値上がり益」も20%の税金がかかりますが、配当するたびに税金をとられるよりはマシという指摘です。
配当は永続的ではない
配当は利益から出ます。利益が減れば配当も減ります。「赤字で無配転落」なんて聞いたことがあるかもしれません。配当がなくなることも普通にあるわけです。投資をする時は、業績が安定しているかを確認するようにしましょう。
配当利回りの確認方法
配当利回りは、例えばヤフーファイナンスであれば、下のように確認できます。

※参考 NTTドコモ(3/29)
買った時の株価で利回りは変わります。この日の株価は2,451円。購入は100株単位なので
100株を245,100円(2,451円×100株)で購入
→ 予想配当が110円なので、100株の保有で110円×100株となり11,000円の配当です。
→ 利回り4.49%(11,000円÷245,100円)となります。
ただし、税金が20%かかるので、税引き後の利回りは3.59%(4.49%×80%)です。
3つ目のメリット「株主優待」
2大メリットは「値上がり益」と「配当」ですが、加えて日本企業独特の制度として「株主優待」があります。すべての企業が行っているわけではないですが、多くの企業が株主向けのサービスとして行っています。いわばオマケです。
批判される株主優待
実は株主優待は批判されることも多い制度です。
- 株主優待欲しさに株を買うのはおかしい。本質を見誤る。
- 株価をゆがめる。
- なぜ個人株主だけ優遇するのか。
- 優待などせずに配当を増やせばいい。
批判はあっても、株主優待があることで個人が株を買い支えてくれるので、企業は導入メリットがあります。
投資を楽しくしてくれる株主優待
何を言われようと、こういう制度が現実にあるわけですから、個人投資家としては、制度の中身を知って楽しむのが冷静な判断です。人生はお金を増やすだけが目的ではないので、投資だって楽しんだ方が良いでしょ、というわけです。
会社の事を知ることができる優待がおすすめ
クオカードを株主優待で配る企業が多くあります。クオカードも良いですが、せっかくなので株主優待を通じて、その会社を知ることができるのが良いと思います。食品会社であれば、その会社の商品を送るケースが多いです。
食品関係は業績も安定していますし、もらってうれしい株主優待も多いので、初心者の方におすすめです。例えばこんなものがもらえます。
寿スピリッツ(製菓の製造・販売)


まとめ
株のメリットとして「値上がり益」「配当」「株主優待」の3つをご紹介しました。初心者は「配当」を中心に会社をチョイスして、「株主優待」も参考にして絞り込んでいくと良いと思います。