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安くなったZOZO株は買いか?

株の初心者
株の初心者
株の初心者なので、何を買えばよいのか分からない

こんな悩みはありませんか?

なんせ日本だけで3500社以上の株が買えますから、途方にくれます。そんな時は、よく知っている会社の株がお勧めです。事業の良し悪しが分かりやすいからです。

今回は、若者に身近な会社として「ZOZO」を取り上げたいと思います。

ZOZO株を買う前に

もし、あなたがZOZO株を買おうと思っていたら、それはなぜでしょう?

気になる人
気になる人
ZOZOスーツを配ったり話題性がある

きっかけは何でも良いと思います。でも話題性だけで株を買うわけにはいきません。良し悪しを知ったうえで買えば、株価が下落しても冷静に見ることができます。

ZOZO株の基本

ZOZO社の良し悪しを確認する前に、基本的な情報を抑えましょう。

ZOZOってこんな会社

ZOZO社(旧社名:スタートトゥデイ)の会社概要には下記のように書いてあります。

主にZOZOTOWNの企画運営業務、カスタマーサポート業務、倉庫業務

服を買ったことがあれば、言うまでもないでしょう。ZOZOTOWNを運営しているファッション関係の通販サイト大手です。

自分たちで服を作っているわけではない(基本的には)

ユニクロと比較されることがありますが、ビジネスモデルが異なります。

  • ユニクロは服を作って販売する(主に店舗)
  • ZOZOは様々なブランドに出店してもらって販売(ネット)

服を売るのは同じですが、ユニクロは製造小売り(SPAと言う)、ZOZOは製造せずに他社の商品を売る(受託販売)と大きく違います。

ちなみに、商品の保管や配送はZOZOがやっているので、この部分は同じです。

利益率が高い

ZOZOTOWNに出店しているブランドから洋服が売れるたびに手数料を徴収しており、それが売上です。在庫は抱えないので、リスクが小さいビジネスと言えます。2018年決算の利益率(営業利益率)を他社と比較します。

業態 会社名 営業利益率 売上高
EC小売 ZOZO 33% 980億円
SPA ユニクロ 11% 2兆1千億円
セレクトショップ ユナイテッドアローズ 7% 1540億円
EC小売 ロコンド 11% 40億円

ZOZOの商品取扱高(洋服などを販売した金額)は2700億円ですが、ブランドから徴収する手数料が売上なので、ユニクロやユナイテッドアローズと違って売上が小さくなり、利益率が高くなります。

ZOZOと同じEC小売のロコンドはZOZOに比べて利益率が低くなっています。こちらは受託販売だけではなく、買取販売もしているのと、サイズ交換無料、返品無料を特徴にしているので、経費がかさんでいるのかもしれません。

ZOZO株は買いか?

それでは、ZOZO社の良し悪しをチェックしていきましょう。

良し(株を買いと思えるところ)

成長している

売上と営業利益は美しい右肩上がり、しかも成長が加速しています。

国内のアパレルマーケットは必ずしも伸びていませんが、ネット通販に限れば年7%成長。同社はネット通販拡大を追い風に事業拡大しています。

ネット通販の割合は1割強と言われますので、拡大余地はあるでしょう。

新規事業への期待

自社での製造販売に参入しました。「ZOZO」ブランドの廉価なシャツやジーンズ、ビジネススーツを販売しています。しかもZOZOスーツを使った画期的な計測方法でジャストサイズの洋服が買えるという、鳴り物入りでの参入です。期待は高まります。

株価に値ごろ感がでてきた

直近の株価は2758円(2018年11月8日終値)と7月の高値4875円から下落しています。予想PERは約30倍と安いわけではありませんが、手は出しやすくなったと思います。(PERについては、下の記事を参考ください)

安い株の見つけ方 その1 十人の話を一度に理解したのは、聖徳太子。たくさんのモニターをみて瞬時に理解するのは株のトレーダー。株の取引きは超プロフェッショナルがや...

悪し(株を買うのを躊躇するところ)

新規事業に伴う業績悪化懸念

今まで高収益な事業を展開してきたわけですが、新規事業(製造販売)をはじめることで収益構造が変わる可能性があります。実際に先行投資かもしれませんが、ZOZOスーツの配布コストで今期の営業利益は前年比マイナスに転じる見込みです。

コスト構造が変わってきている

2018年10月末に上期決算が発表されたので、コストを前年と比較してみました。売上に占めるコスト(販売管理費)の割合が約12%増えています。これは利益率が下がったという意味です。コストの増減を分解してみました。

赤い部分がコストアップした所です。一時的なコスト増は構いませんが・・私の所感は、

・「荷造運賃」の増加は商品の発送費用で一時的なものではない。

・「広告宣伝費」は新事業開始にともなう増加で一時的なもの?

・「その他」はZOZOSUITの処分費用など一時的なもの。

注目すべきは「荷造運賃」です。売上に応じて発生すると思われ、このコストアップは気になります。対策が必要です。

一方で広告宣伝費は徐々に落ち着くのではないでしょうか。前澤社長がメディアにでるのは、広告宣伝費を抑えるために頑張っているのだろうな・・と思ったりします。メディアが勝手に取り上げる分には広告宣伝費はかかりませんから。

新規事業はうまくいくか?

多少利益率が下がろうが、それ以上に売上が伸びれば利益は増えるわけで、新規事業の成否が最大の懸念点です(同社は売上増をかなり見込んでいる)。少し整理します。

他社の評価

ユニクロの柳井社長は『スタートトゥデイ(現在のZOZO)には生産背景がない』と言ったそうです。「洋服を売るのと製造は違う、簡単じゃない」という事です。ZOZOの新規事業を警戒したコメントと思えば話半分で聞く必要はあります。ただ、ユニクロも小売りから製造に進出してきたわけで、その経験を考えると無視できないコメントだと思います。

買った人の評判

私もZOZOのシャツを買いましたが、悪くなかったです。ただ、ジーンズやビジネススーツの購入者からは、良くない評判も聞こえてきます。また、ビジネススーツを注文しましたが、納品が遅れています。しかも納品予定時期に「2ヶ月遅れます」とメールがきました。ちょっと呆れるレベルです。

あれだけZOZOスーツを配布するのですから、覚悟をもって参入したのだと思います。ただ、サイズが合っていない商品の納品や納品の遅れは非常に残念です。製造小売への参入は拙速(事前の検証不足)かつ稚拙という印象すら持ちます。今後どのように改善するのか、ZOZO社は正念場だと思います。

社長の決断力に期待

同社はZOZOスーツの配布数を減らすと発表しました。一方でZOZOブランドの靴を提供するとも言っています。この判断の速さは前澤社長ならでは。新規事業を軌道にのせられるかは決断力の要素が大きいと思うので、期待はあります。個人的には、ジャストフィットする革靴を出してくれないかなと思ったりします。

まとめ、そして今後は・・

超ざっくりまとめると、

既存事業の収益性や優位性は優れており、コスト改善をおろそかにしなければ、引き続き期待できる。一方で、製造小売りへの参入で先行き不透明感がでてきた。社長の決断が早いので成功する可能性はあるが、拙速な参入だった印象は否めない。

といった感じでしょうか。

今後の投資チャンスは?

株価に値ごろ感がでてきたので買いを検討して良いと思います。もし、新規事業の撤退や大幅縮小で失望売りがでたら、投資のチャンスだと思います(既存事業は健全なので悪い判断ではない)。新規事業が好調に推移するなら、それはそれで投資チャンスかもしれませんが、その時には既に株価が高くなっているような気がします。

あくまで個人的な見解につき、投資は自己責任ですが、ご参考にしていただければ幸いです。