コラム

日経平均からの除外は投資のチャンス?

テレビのニュースでよくみる「日経平均」、日本証券業協会によれば

東証一部の中から225銘柄を選び、その平均株価を出したもの

とあります。東証一部に上場している企業2016社(2018年8月8日現在)の中から取引が活発な225社を選んで指標にしています。

この日経平均に採用される225社ですが、実は定期的に変更されています。毎年1~数社が除外され、別の会社が追加されています。今回は除外される会社の株価に注目します。

日経平均から除外されると株価が下がる?

株の動きに”必ずこうなる”はないので、100%ではありませんが、日経平均から除外されると株価は下がりやすくなります。

日経平均は日本を代表する株式指標なので、日経平均と連動する投資信託が数多く存在します。こういった投資信託は以下のメリットがあり、非常にポピュラーです。

  • 日本の主要企業に手軽に投資できる。
  • ニュースで毎日流れる日経平均株価と連動するということで分かりやすい。
  • 低コスト(日経平均に連動するように運用するだけなので)

こういった投資信託は、日経平均から除外される会社を自動的に売ることになります。その結果、株価が下がるというわけです。

いつ、どれくらい株価が下がるのか?

そこで考えるのは、会社の業績とは関係がない要因で株価が下がる訳で、投資するチャンスではないか?ということです。ではいつ頃下がるのでしょうか?考えられるのは3つです。

入れ替え日(9月最終営業日)

日経平均の定期入れ替えは10月の算出から行われます。そのため、9月の最終営業日に除外される会社の株は売り込まれ、逆に採用される会社は買われる事が予想されます。

除外銘柄発表日(9月5日前後)

日経平均の入れ替えが発表されるのは、毎年9月5日前後です。除外されるという事実をもって株価が下がる可能性がありそうです。

除外銘柄予想日(6~7月)

毎年、証券会社各社が日経平均の入れ替え銘柄を予想しています。6~7月に予想されることが多いようです。あくまでも予想ですが、過去数年をみると角度の高い予想も見受けられます。予想を踏まえて売却する株主も出てくると思われます。

実際に除外された会社の株価はどう動いたか?

直近3年間で除外された会社の株価を見てみます。6月の最初の営業日を揃えて比較したものです。

日経平均除外銘柄の株価推移

過去3年間では、除外された3社とも9月5日前後の入れ替え銘柄発表時期に大きく下落しています。10月に入る直前も株価を下げていますが、入れ替え銘柄発表時期ほどではないようです。少しでも安く株を買うという意味では9月頭がチャンスの時期となりそうです。

今年は?

それでは、今年はどうでしょうか?今年は「宝ホールディングス」が除外されるのではないかと予想されています。業績は堅調なのですが、8月頭に大きく株価が下落しています。業績発表(悪くはなさそうでしたが)と日経平均からの除外が予想されていることによる下落です。

先ほどのグラフに「宝ホールディングス」を加えてみます。既に大きく下落していますが、9月6日頃の入れ替え発表後にどのような動きをするのか注目したいと思います。

※9/6追記:宝ホールディングスが除外されませんでした。除外されたのは古川機械金属となっています。株価がどうなるのか、注目していきたいと思います。

日経平均除外銘柄の株価推移2