
税込み100円のコーヒーを買おうと思ってレジに行ったら「102円です」なんてことはありませんよね?物は表示されている価格で買うのが普通です。でも株はちょっと違います。超基本的かもしれませんが、意外に忘れがちな事実を確認しておきたいと思います。
株は買う人と売る人がいる
それくらい知ってるわ!と言われそうですが、株を買うには、売りたい人から売ってもらう必要があります。例えるならオークションのような取引です。
表示されている株価で買えるわけではない
表示されている「現在の株価〇〇円」というのは既に取引が成立した価格です。確かに最新情報ではあるものの、あくまでも過去の出来事です。売り手は少しでも高く売りたいので、買い手が多ければ値段を上げてくるかもしれません。表示されている価格はあくまでも参考価格というわけです。
売る時も同じ、含み益は絵に描いた餅
これは売る時も同じです。買い手がいないと売ることができません。
例えば1000円で買った株が2000円になって、倍になったと思うかもしれません。でも自分も2000円で売れるとは限りません。利益は売却してはじめて利益となります。確定させていない利益のことを「含み益」と言いますが、絵に描いた餅に過ぎないというわけです。
暴落時に買い手を見つけるのは困難
とはいえ、2000円の株価なら2000円に近い価格で売れる事が多いでしょう。だから絵に描いた餅とはいえ株価が上がれば嬉しい訳です。
では、買い手がいない時はどういう時か?それは株が暴落した時です。
劇場が火事の時に、自分の席に別の人を座らせて逃げなければならない
著名な投資家(ウォーレン・バフェット)の例えですが、暴落している最中に株を買いたい人はいません。みんなが株を売りたい状態だから暴落するわけです。暴落時は売るに売れず、ただただ株価が下がっていくのを見ていることになります。
売買できる価格はまわりの状況次第
「買いが多かったので株価が上昇」と表現がされることがあります。でも実際は買う人と売る人(売る人と買う人の株の数)が同じでないと取引は成り立ちません。正確には「買いたい人が多かったので、株価が上昇」というわけです。買いたい人が多ければ、売り手は強気の価格を出せるというわけです。
当たり前のようにも聞こえますが、まわりの状況次第で株を売買できる価格は変わります。表示されている株価で売買できるとは限らないというわけです。
まとめ
- 株の売買は相手がいて成り立つもの
- 今の株価で買ったり売ったりできるとは限らない
- 暴落時は売りたくても売れない状態になる