
今月、NYの株式市場が大幅安となり、つられて東京の株式市場も大幅安となりました。今回の株安が一時的なものなのか、継続的に株安となるのか、気になります。そこで、報じられている株安の理由を整理してみました。
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株安の理由
一番多い理由はアメリカの金利
最初にアメリカで大幅安となった2月2日、日経新聞は下記のように報じました。
雇用統計が好調でアメリカの金利上昇が意識され株は大幅安になった
前提として金利上昇は株価にとってマイナス材料です(ご参考)。雇用統計が本当にきっかけかは別にして「金利上昇が意識されて株価が下がった」という説明が大勢でした。
二番目に多い理由はプログラム売買
それだけでは大幅安の理由にならないので、AIなどを使ったプログラム売買により安値の売り注文が増えたと説明されています。相場が不安定になると自動的に売るプログラムが組まれていて、安値の売り注文が増えた。売りが売りを呼ぶ現象が起きたというわけです。
そもそも急ピッチに上昇しすぎていた
そもそも論として、アメリカの株が急ピッチで上げ過ぎていたという状況があります。2ヶ月間で10%ほど上昇していたので(年率60%!?)、調整が入って当然というわけです。
報道を踏まえて:この先はどうなるのか?
日本の株は、アメリカの影響を受けます。となるとアメリカの先行きが心配です。
前回利上げ時の株価は堅調
アメリカの金利上昇はこれからが本番ですが、その原因は中央銀行の利上げによるものです。利上げによって株価が軟調になるのなら、前回の利上げ時はどうだったのか確認しましょう。

青い線がアメリカの中央銀行が設定する金利です。灰色の線はアメリカの株価ですが、赤く囲った利上げ期間中も株価は堅調に推移しているのが分かると思います(その後にリーマンショックが待っていますが)。そもそも景気が良いから利上げするのであって、何か景気に変調があれば中央銀行も利上げのペースを調整するでしょうし、利上げが原因になる株式市場の大混乱というのは考えずらいでしょう。
また、アメリカの中央銀行(米連邦準備制度理事会、FRB)は、この2月にトップが代わりました。後任のパウエル氏は保守的と言われていますので、無理な利上げはしないと思われます。その点でも安心でしょう。
指標は割高ではない
さらに、PERやPBRといった株価が割安か割高かを見極める指標を見たときに、特に日本の株は適正水準です。現時点では企業業績が急に落ち込むことも考えにくいので、今のところ下値は限られていると思います。今回のような株価下落は個別銘柄の株を購入するチャンスかもしれません。